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大会レポート2011


オヤジ 市民トライアスリート 1年生   【 水藤 健さん 】
 


 

1.はじめに


トライアスロン入門体験記の原稿依頼を受けて、良い機会なので6月にクラブに入会してからの半年間の軌跡を、備忘録としてまとめたいと思う。

クラブに入会して半年。スプリントのレースに一回出場しただけなので、「トライアスリート」と名乗るのはおこがましく、
「市民ランナーの定義:専門的なトレーニングを受けたりせず、趣味でマラソンや駅伝などを楽しむランナー」を参考に、
市民トライアスリート」と名乗らせていただき、45歳と言う年齢を考慮して題名を決めた。

トライアスロンに関心のある方々に、日常生活からかけ離れていると思われる「トライアスロン」の世界が、
案外近くにあることを知っていただければ幸いである。 






2.トライアスロンを始めたきっかけ


私は健康のために、2010年の2月から何の気なしに週末にランニングを始めた。
はじめは5km走るのがやっとだったが、脚のそこら中が痛くなるのに耐えながら、無理はしないように徐々に距離を伸ばし、
5月には刈谷かきつばたマラソンで10kmを完走(52分37秒)。

翌年2月には犬山ハーフマラソンを無事完走した(1時間53分30秒)。
ハーフマラソン完走に達成感はあったが、一人電車で会場に行き、完走後も誰とも話すこともなく一人で帰宅し、家族も無関心。
この先フルマラソンを目指すにも、週末の練習距離をひたすら伸ばし、修行僧のように練習し続けることを楽しみには思えなくなっていた。

また、ランニングを開始してから一年後の人間ドックでは、体重も中性脂肪も適正値に改善していたが、肺年齢は実年齢並でしかなく不満を感じた。
人間ドックの先生からは「楽な呼吸でランニングだけしていても、肺は鍛えられないので水泳のような深い呼吸をするスポーツも取り入れたほうがよい」とのアドバイスをもらった。

そこで試しに市営のスイミングプールに行き泳いでみると、ランニングで長時間の運動に慣れたためか、
1.5kmをクロールで泳ぎ切ることができた。ランニング、水泳とそろうと「トライアスロン」という言葉が頭に浮かんできた。

トライアスロンで最もポピュラーな「ショートディスタンス」は

スイム:1.5km
バイク(自転車):40km
ラン:10km


であることを知ると、自転車さえ何とかなれば、自分もトライアスロンを完走できるかもしれないと言う甘い考えが浮かんできた。
(後にバイクに対する認識の甘さを思い知らされることになったのだが、当時は「サイクリングも気持ちが良いだろうな」としか考えていなかった)

そこで、トライアスロンをしている職場の同僚Mさんに三好SATC(トライアスロンクラブ)の無料体験を紹介してもらうことになった。
(Mさんにはランニングに関する相談に乗ってもらいながら、トライアスロンを薦めてもらっていたが、
「月謝を払ってトライアスロンに取り組む特別な人」という認識で、まさか自分がその仲間入りをするとは正直、夢にも思っていなかった)





3.練習開始


6月下旬、無料体験で土曜の朝のスイムとランニングの練習に参加。それぞれ1.5時間の練習で、
初心者にはレベルに会わせた指導をしてもらえ、何とかついて行けそうな感触を得た。
スイム、ラン共にフォームを重視したドリル練習、スピードを意識したセット練習などが新鮮で、
まさに「
大人の部活動」という言葉がしっくりくる内容だった。

全く運動の習慣のない人には、ついていくことが難しいが、週末のランニング程度の運動習慣があれば、距離をマイペースで調整しながら
ついていくことができるシステムになっている。その場で入会を決めた。

ところが、震災後の電力不足対応と言うことで、7、8、9月の3ヶ月間は会社が木・金曜休みになり、
土曜朝の練習の代わりに木曜夜の練習に参加することになった。

木曜練習は参加メンバーの上級者比率が高く、土曜練習の和気あいあいとした様子とは若干雰囲気が違っていた。
Hコーチの緊張感のあるトラック練習で、みっちりと追い込まれ、その後のスイムではランニングで疲労しきった脚にとどめを刺され、
毎回足をつり、ヒーヒー言いいながら練習を終わらせていた。

しかし不思議なもので、激辛料理が癖になるのと近い感覚で、厳しい練習後には、ある種の充実感と達成感に包まれ、
練習に参加することに嫌悪感はなかった。

また木曜のバイク練習は数十km、数時間に及ぶ一大イベントで、アップダウンのある山道をひたすら走ることになる。
(土曜のバイク練習は周回コースで初心者も安心とのこと)
参加するまではスイム、バイク、ランの3競技で、バイクが一番楽だと考えていたが、参加後はバイクが最も過酷だと言うことを思い知らされた。

まず平地でも上級者のスピードには当然のようについていけず、ハーハーあえぎながら延々とペダルをこぎ続ける。
山道に入ると、急角度の登り坂ではギアを一番軽くしてもちっとも進まず、息も絶え絶え、脚も腰もつりそうになりながら登りつづけるしかない。
しかし、一転して下り坂では体重を後方に移し、恐怖感にうち勝ちながら坂道を下りていくと、風を切り裂きながら爽快感と共に疲労を回復していく。
まさにバイク練習は「天国と地獄」である。


4.購入アイテム


さしあたりトライアスロンを始めるのに、一体いかほど費用がかかるかが初心者にとって気になるところと思う。
そこで、この半年間の購入アイテムをまとめてみた。
私個人の例であり、必ずこれだけかかると言うわけではないので、あくまでも参考にとどめてほしい。


●ランニング:

もともとランニングをしていたので、特に買い足したものはなし。

・ランニングシューズ
・トレーニングウエア(Tシャツ、短パンでOK)
・帽子

ぐらいがあればよいと思う。
ランニングシューズはサイズが合った5千円〜1万円ぐらいのものを準備。


●スイム:

・水着
・ゴーグル
・スイムキャップ


サイズが合っていれば高価なものでなくてOK。トータル1万円以下で練習は開始可能。

追加して自分は使い捨てのコンタクトレンズを購入。
学生時代から20年ぶりにコンタクトを使用したが、装着感の良さと価格の安さ(1日分200円)に感動。
ゴーグル、サングラスを度付きにする必要が無く、トータルで割安と思う。

・ウエットスーツ:
大会に出る場合は必要。私はシーズンオフの9月末に急遽購入する事になり、フルオーダで4万円と身分不相応な買い物をした。
練習により体格も変化するし、あせらずに既製品があえば割安に購入可能と思う。


●バイク:

これは道具がないと始まらないし、価格差が一番大きい。
ネットではバイク、ヘルメット、ウエットスーツセットになったスタートキットで10万円というものもあるが、上を見ればきりがない。

私が購入した入門機種でのセットを参考に下記する。
近所の自転車屋で総予算15万円でそろえてもらった。
トライアスロンなどのバイク競技に詳しい店に相談することがマスト

・バイク(ブリジストン アンカー 入門機種)
・ヘルメット
・バイクグローブ
・バイクジャージ
(身体にフィットし、風を巻き込まない。
 背中が長く、ポケットがついている)
・バイクパンツ(お尻にクッション入り)
・空気入れ(携帯用と通常使用の2種類必要)
・修理セット
・サイクルコンピュータ(スピード、距離を表示)


このあと、追加で
・ビンディング付きのバイクシューズと専用ペダル(合計2万円)。
→上り坂では「引き足」を使うことができ、片足で登っていたのが両足が使えるようになり、効果絶大。これは必需品だった。


5.初レース



次に初レースの状況を報告する。
当初は1年間の練習後に来年デビューするつもりであったが、
10月9日に開催された長良川大会駅伝の部に人数調整のために急遽出場することになった。

第1走者で距離はショートのちょうど半分

スイム:0.75km
バイク:20km
ラン:5km


と、初心者にはちょうど良い距離だった。

ウエットスーツさえあれば水着とTシャツで出場可能とのことだったが、私は何事も形からはいる傾向があり、
Wiggle(イギリス通販サイト 日本語版があり自転車用品が充実)で7千円のトライスーツ(ほぼ最安値)を購入して、
格好だけは万全の体勢でレースに臨んだ。


まずスイムはスタート前の入水チェック(川の中で水に慣れる時間)で、
川の水の冷たさと汚さ(前が全く見えない)にショックを受け、半分おぼれながら岸に戻った。
 
コーチからの
「吐くことを意識して、ゆっくり呼吸して」
「スタートは後ろから平泳ぎでよいから、焦らずにゆっくりと水に慣れながら」
と言うアドバイスをうけて、心を落ち着かせてスタート。

泳ぎ進むうちに、だんだん慣れてプールに近い泳ぎができるようになった。
そうは言ってもなかなか真っ直ぐには進めず、汚い水を何回か飲み、お腹を壊さないかと心配しながら何とかスイムを完了。





トランジッション(着替えエリア)でウエットスーツを脱ぎ、ヘルメットをかぶり、靴下とバイクシューズを履きと、
忙しく着替えて、バイクを引きながらスタートラインへ。
ビィンディングがなかなかはまらず焦りながらも、必死でこぎ始める。

1周5kmの周回コースを4周するのだが、向かい風に悪戦苦闘している私の右を、トップグループの選手が疾風のように抜いていく。
こちらは何周回ったかを間違えないように、ただひたすらペダルをこぎ続けるのみ。

何とか20kmバイクを漕ぎきり、再びトランジッションにバイクを置き、
ヘルメットを脱いで帽子をかぶり、バイクシューズをランニングシューズに履き替えてランスタート。





ところがスイムとランによるダメージで体中が重くて脚が前に出ない。
まるで他人の体のように自由がきかず、苦しくて歩きたくなる。
クラブの方から声援を受けても、笑顔を返す余裕もなくただひたすら走り続ける。
何とか5kmを走りきり、第二走者にバトンタッチした。





結果は 22組中 17位
(駅伝チームとしては他のお二人のがんばりで11位))

個人の成績としては

スイム:0.75km 17分33秒(2分20秒/100m)
バイク:20km 42分46秒 (平均時速28km)
ラン:5km 23分53秒 (4分47秒/km)

なるほど練習のペースと同程度であり、
実力以上の結果は当然期待できるわけではなく、まぐれの無い正直なスポーツであることを妙に納得した。



6.終わりに


最後にトライアスロンを始めて良かったこととそうでなかった事を振り返ってみる。


●良かったこと 


・健康になった:

トライアスロン開始のきっかけになった肺年齢の結果は出ていないが、
もともとランニングでスリムになっていた肉体はさらに磨きがかかり、体脂肪率は15%。
オムロン体重計の「体年齢」は32歳と大幅に若返った。
スイム練習で上級者と比較すると場違いなほど貧弱な体型だが、ひとりで鏡の前に立てば「細マッチョ」と言えないこともない。
上半身も軽くなり、疲れにくくなった。
   
・練習の質が向上:

自己流の単調な練習とは異なり、準備体操一つとっても新鮮。
一人ではできないバラエティに富んだ、心にも筋肉にも「刺激のある」練習ができる。
故障の心配もなく、往復1時間の移動時間を考えても、練習の時間効率は良いと思う。

・楽しみが増えた:

「トライアスリートに悪人はいない」というと、胡散臭くなるが、クラブの方々は良い方ばかりで、
肉体的には苦しい練習も和気あいあいと楽しくできる。
また、マラソン以外の大会、イベントに参加する機会も増え、休日も充実している。


●良くなかったこと


・お金がかかる:

始めた年と言うこともあり、初期投資がずいぶんかかった。
個人的には体と心の健康のための投資と割り切っていいるが、奥さんは内心穏やかでないと推察される。
(自転車はホームセンタで1万円代で買えると思っているので、「20万円のバイクが欲しかったが、10万円で我慢した」と言っても納得されない)
理解を得ることは困難なので、「トライアスロンのおかげで健康になった」ことをアピールしつつ、休日は布団を干したり、掃除をしたりと、
身軽にさりげなく家事を手伝っている。

・家族と過ごす時間が減る:

もともと子供もある程度大きくなり、習い事や塾、部活動で忙しく、奥さんも子ども会などの地域コミュニティの活動で休日も出かけることが多いため、
私の場合は影響が少ない。(この点からもオヤジ向きのスポーツと思う)
家族のイベントとトライアスロンのイベントが重なった場合の立ち振る舞いに注意が必要。


以上が私の半年間のトライアスロンライフである。

今後も限られたお小遣いと時間と体力を効率的に使って、トライアスロンを継続し、
40代のうちに宮古島大会(国内で人気の風光明媚な大会。
総距離約200km)に挑戦しようと「市民トライアスリート」としては、大胆なことを密かに考えている今日この頃である。



以上

 


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